>>72さんのご発言は、ノーヴァク版だけを見た限りでの当然の思考ですが、
この例(ノーヴァクが(Largo)と(Tempo Imo)とかっこ書きした)は、
全集版としてあるべき編集態度を逸脱した、ノーヴァクの誤編集あるいは
中途半端で恣意的な編集による誤解であって、
全集版としての信頼性を損なう結果となっているので、
次期増刷には是非自筆譜通り(ハース版通り)に復元修正されることが
望まれるところです。

ここで次の3点を確認しておきたいと思います。
(1)自筆譜には、何の不自然さもなく、スコア上端にLargo と Tempo Imo 
がブルックナー自筆で1箇所づつ書かれています。
(2)ハース版では、自筆譜通り、上端に Largo と Tempo Imo が
かっこなしで印刷され、さらに、全集版の一貫した編集方針として、
弦楽の上と最下端にかっこ付きで同じ指示が補足印刷されています。
(3)ノーヴァク版では、ハース版のかっこ付きの補足部分はそのままに、
上端の(Largo) と(Tempo Imo)にかっこが付され、
全体として、一見他資料からの引用に見えます。
しかし、これは察するに、>>67さんが<再現部のKにはテンポ変化がないけど、
その点は関連するだろうか>と指摘されているように、ノーヴァクの
『テンポの一致とテンポの一貫性を保持すべきである』という見解による
恣意的補足だと思えます(この見解にはかなりの説得力があるが)。

もしそうだとしたら、誤解を避けるために、ノーヴァクは別の種類の
かっこを用いて(《第七交響曲》の場合のように)、序文で説明を
加えるべきであったでしょう。