音楽ファンは2種類ある。
フルトヴェングラーの熱烈なファンとそうでないひとたち。
両者のあいだには埋められない溝がある。どちらの主張が
正しいかはともかく、その根底には二つの考え方がある。

一つは、楽譜がいちばん大事であるということ。
テキストとしての楽譜のみを読みこむことによって、作曲家の
意図を探ろうとするやり方。トスカニーニはこの典型だ。

一方で、テキストとしての楽譜にとどまらず、作曲家の思想や
その生きた時代、さらには作曲家がどういう人生を送り、
どういう苦難を乗り越えてというようなことまで念頭に入れて、
イマジネーションを膨らませて演奏活動を行う。
ロマン的なアプローチといっていい。
フルトヴェングラーはこの巨頭。

演奏行為には両方のアプローチがあって、どちらを取るかは
個人の好みであり優劣はない。

あえていえばどっちでもいい。