樋口毅宏×山崎洋一郎対談【前編】「何故、樋口さんは昭和40年代をそこまで真剣に背負うんですか?」
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刊行を記念して、樋口さんが音楽面で最も影響を受けてきたという音楽評論家で編集者の故・渋谷陽一氏とともに「ロッキング・オン」社を舵取りしてきた、現ロッキング・オン社代表、山ア洋一郎さんとの対談が実現しました。実は山崎さんは樋口さんにとって渋谷さんと並ぶ“大きな影響を受けた”憧れの人なのです。渋谷駅前の高層ビルに入った超カッコいいロッキング・オン社を訪ねた対談の行方は? 前・後編2回に分けてお届けいたします。

山崎 僕は樋口さんと違って、テリトリーがすごく狭いんですよ。マンガ読まない、映画もろくに見ない、音楽も好きなものと自分が担当したものしか聴かないから。それこそ(本で対談している)阿川佐和子とかもよく知らないので、よくわかんないなりに読めて、よかったです。江口寿史さんもちゃんと読んだことないですからね。

樋口 それは意外ですね。江口さんはジャパン(『ROKIN' ON JAPAN』)とロッキング・オン(『rokin' on』)で連載されてましたよ(笑)。

── 樋口さんの本にはエレカシ(エレファントカシマシ)の章もありましたが。

山崎 そういうものは“どうなんだろう? そうかな?”と思いつつ (笑)。樋口さんは僕よりもテリトリーが広いので、少年の頃からカルチャーユーザーだったんだなあと思いながら、読んでました。僕は今でこそいろいろ発信してますけど、育ちはカルチャーユーザーじゃないんですよ。どちらかというとチンピラ系というか。音楽雑誌読んで知識を増やすというより、クラブでDJとかやってたんで、そっち派でしたね。

樋口 山崎さんはもともと海外で暮らしてた経験がありますよね。

山崎 子供の頃、エルサルバドルにいたんですけど、新聞も一週間遅れでしたから、当然音楽情報なんて活字じゃ入ってこなくて、ラジオで曲を聴くだけなんですよ。勉強のしようがないから、どこまでも自分で考えるんです。曲を聴いて、考えて考えてるとだんだん理解してくる。だから日本に帰ってきてからも、何かで勉強する必要を感じないっていうか、聴けばわかるよって気分になっちゃってたので、(今の評論も)それの延長線ですね。