やがて悲しき献花式かな|増井修 Osamu Masui
https://note.com/masui_osamu/n/nc93dc61eb77b
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渋谷陽一の献花に行った時のことだ。

毎度、渋谷の名を借りて閲覧者を少しでも増やしてやろうと目論む貧乏な根性の自分であってみれば多少の嫌気も差すが、さりとて他に書けることもなく、思い出だけに浸っている老境の現在からして致しかたないし、最大の影響を与えた奇妙な人物のことを忘れるわけにも、封殺するわけにもいかず、とりあえず名前を借りて手っ取り早く記憶を手繰り寄せて少しでも整頓し、更には今昔の読者とも少しでも歴史を共有したいとの思いもありなので、そこらへんは温かく、読了お願いしたい。はないかとの懸念も生じた。

私はロッキングオンの新社屋には行ったこともなかったので、広くて眺望もよく渋谷中心の高層階に構えるこのオフィスで勤務することがどんな気分か、さぞ緊張するだろうし、自分を見失ってしまわないかと彼ら社員が心配にもなったが、それ以前に現社員が私を不審者として通報するのではないかとの懸念も生じた。

そうした心配の当日、次々とご挨拶していると走って来る人がいた。森内淳だ。