その理由は私には明白であるように思える。それは、相互的な再帰が示唆する
互いに等しい、つまり、対称の関係と、自他の非対称性が示唆する階層的な、
すなわち、非対称の関係との折り合いをうまくつけることができないでいる
のである。なぜうまく折り合いをつけることができないかと言えば、それは、
自他の存在を実体化するにせよ、関係的な見方をとるにせよ、等しい関係、
または階層的な関係を前提としてしまい、そのような関係をもたらす作用
自体を考察の中心に据えていないからである。しかし、いわゆる互酬性と
呼ばれる行為は、その都度、まさに階層的な関係を生じさせることによって、
相互的な等さを確保しようとすることに他ならない。