参考記事:

http://markethack.net/archives/51573974.html
ルイスのターニング・ポイント(Lewisian Turning Point)にさしかかった中国
2010年06月11日09:34
ホンダの賃上げ闘争以来、「ルイスのターニング・ポイント(Lweisian Turning Point)」と呼ば
れる経済学の概念が脚光を浴びています。
ルイスとは[黒人最初の]ノーベル賞を受賞した経済学者、アーサー・ルイスを指します。
彼は1950年代に「Economic Development with Unlimited Supplies of Labor」という本を書き、
開発経済学に功績を残しました。
ルイスの主張は「無限に労働力の供給がある間は工員さんの賃金は余り上昇しない」というものです。
その無限の労働力は普通、農村から供給されます。
最初は農業より工業の方が生産性が高いので、工員さんに支払うお給料は農家の収入より
魅力的な水準に設定されます。
中国では当初、農村の労働人口が余っていたので都会に働きに出た方が有利な収入を得られました。
このような構図をルイスは二重経済モデル(Dual sector model)と呼んでいます。
農村はルイスの定義では生存維持的部門(伝統的部門=低賃金で無制限に近い労働供給が
ある)に相当します。
一方、深センなどの都会は資本家的部門(近代部門=大量の資本がある)に相当します。
生存維持的部門から近代的部門へ労働力が絶え間なく流入している間は一定の賃金水準で
労働供給曲線が無限に弾力的になります。
しかしルイスの理論によれば追加的労働力の投入は限界生産力や相対的賃金を押し下げる
働きがある一方、農家は残った人手が少なくなると農家での収入は上昇し、これにより賃金は
平準化されます。
するとある時点から農村から都市への労働力の流れが悪くなってしまうのです。
その場合、労働者へのインセンティブ(良い社員寮、良い賃金、より多い休日など)を増やさ
なければ雇用が確保できなくなります。また賃金はどんどん上昇しはじめます。これが「ルイス
のターニング・ポイント」と呼ばれる地点なのです。

この説明からもうかがえるように現在の中国で相次いで起こっている労働争議は極めてマクロ
経済的な現象であり、後戻りできない類の構造変化だと言えます。