>>126
ベネターの本は一応読みましたが、分析哲学か厭世主義か虚無主義かはともかく、
あれは、どう考えても、箸にも棒にもかからない「愚著」ですよ。
なんだか、あんまり頭のよくない学生の卒論を読んでいるみたいで、
あんなものを本気で奉っている人がいるとは、どうも信じられません。

最初に「快と苦の非対称」の話があって、すべての議論の根幹なんですが、
これがどうにも混乱していてわけがわかりません。
「苦の不在はよい」「快の不在は悪くない」という命題が真とされて、反出生の議論に
つながっていくのですが、現実を単純化して人間心理を快と苦で割り切ろうとするなら、
あり得る可能性は
1.快の現前
2.苦の現前
3.両方の現前
4.両方の不在
の、4パターンだけです。
これに、形式的によいと悪いを当てはめるなら、
1.快の現前は「その人にとって」よい
2.苦の現前は「その人にとって」悪い
3.両方の現前は「その人にとって」よいと同時に悪い。あるいは、
  快が勝っているならよくて、苦が勝っているなら悪い。
4.両方の不在は「その人にとって」よくも悪くもない。
と、本来はこれで話はすべて終わりです。
形式論理的には「苦の不在」は1と4の集合で、「悪くない」
「快の不在」は2と4の集合で、「よくない」となります。非対称性などどこにもありません。