千葉雅也のドゥルーズ研究の不備を指摘する箇所は他にもあるが、一例を引く。
長い注なので、前後を省略した。なお、鹿野は千葉にだけ厳しいわけではなく、日本の大御所だろうが
著名な海外の研究者だろうが、曖昧さや誤読、訳語の不適切は「公平に」指摘している。

「一見すると単なる誤解に見える〔千葉雅也の〕この奇妙な見解は、おそらく最初から
テクストに忠実な読解を目指してはおらず、「一種の脱構築」を試みて「ドゥルーズの
ヒューム主義を誇張」することによる創造的誤読を目指したものなのだと思われる。
だがそれでもなお、われわれはその見解にまったく賛同しない。あるいは別の言い方を
すれば、ドゥルーズ自身のテクストに忠実な読解から得られる思想の方が、より創造的で
革新的だと考えている」鹿野祐嗣『ドゥルーズ「意味の論理学」の注釈と研究』序論注166(巻末注p.28. )