《[台湾で]…みんながね、どういう理論で、あるいはどういう社会を実現するんですかときくんですよ。
けどねそれは僕はこう答えるんですよ。
それは君たちは知ってるんだ、と。
現にあるんですよ。イソノミアが現代ならどういう社会ですかと聞かれたら、
協同組合ですよと答えます。
自分が経営者で自分が労働者、あるいは共同所有…。支配関係はありません。労働商品ではないから。イソノミア、ノールールです。
協同組合が社会全体であるような社会をマルクスは共産主義と呼んだんですよ。
国家がやってはダメですよ。協同組合が国家にとってかわらなければならないと言っているんです。
マルクスは若いときから言っています‥

「彼ら(労働者)は、実現すべき理想を何ももっていない。彼らのなすべきことは、崩壊しつつある古いブルジョア社会そのものの胎内にはらまれている新しい社会の諸要素を解放することである。」※

解放すべき諸要素はあるんです。それを解放すればいいんです。
要素があるだけで…それを思い出せばいいだけです。》

2013年2月7日紀伊国屋書店柄谷行人トークイベントより
※ 『フランスの内乱』全集17.320頁