整理しよう。
・ベネターは苦痛を感じることを根拠にすべての出生を害悪であるとしているが、その苦痛が出生を否定するほどのものかは不可知であり、現実に多大な苦痛を被った人間もまた必ず出生を否定しているわけではない(苦痛に決定的な普遍性がない)
・存在することで何らかの苦痛を被るということと、被った苦痛が当人にとって出生を否定するほどの苦痛かどうかは異なる位相にある
・だから、すべての出生を苦痛という根拠によって一律に否定していいとは思えない