一応お断りすると、私は基本的に世界全体の状態とか、他人の視点とか社会的な利害とかは捨象して、当人の主観的視点だけを問題にしています。
(他人の視点を入れるなら、そもそも子供を生むのは親が自分の都合でやることなので子供の視点なんか二の次だ、とか、少子化対策でずんずん産んでもらわなければ困る、とか、そういう話になります。)

主観的意識に関する限り、例えば私が死ねば、まさに私が生まれなかったのと完全に同じ状態、つまり非存在に戻ります。そしてその状態が永久に続きます。本当はこれはかなり奇怪なことなのですが、そうとしか思えないので仕方ありませんw

反出生主義者の人は「生まれることは決定的で、生まれてしまえば取り返しがつかない」とよく言うのですが、正反対としか思えません。個人の主観に関する限り、いつでも死ねば完全に生まれる前の状態に戻れる、というか、いずれはいやでも戻らざるを得ません。誰でも万能のタイムマシンを持っているようなものです。世界のあらゆる出来事の中で個人が「生まれる」ことだけは唯一完全に「取り返しがつく」わけで、むしろある意味最も「お気楽な選択」とすら、言えないことはありません。