『力と交換様式』ではロシア革命について
「ロシア革命がもたらしたのは、共産主義ではなく、
むしろアジア専制国家の再版(更新)である。
それによってロシア革命は、スターリンを輝かしい指導者として仰ぐ、
いいかえれば、皇帝(ツァー)を仰ぐアジア的専制国家を
再構築することに帰結したのである」
と述べられているが、中国革命については何も触れられていない。


『帝国の構造』において柄谷は、
「中国に必要なのは、近代資本主義国家に固有の自由民主主義を実現することではなく、
むしろ「帝国」を再構築することです」
「中国に自由民主主義的な体制ができるなら、少数民族が独立するだけではなく、
漢族も地域的な諸勢力に分裂してしまう」
「いかに民主主義的であろうと、そのような事態を招くような政権は、民意に支持され」ず、
「天命=民意にもとづく正統性をもちえない」だけではなく
「世界史的観点から見ても愚かしい」と、
中国の民主化を否定し、「帝国」化を肯定することを書いていたが、
現在の柄谷もこの考えを変えていないのだろうか。


柄谷にとって、中国革命とは何なのか。
それはロシア革命と同じく「アジア専制国家の再版(更新)」なのだろうか。
それともロシア革命よりはましな何かなのか。
中国の体制知識人読者を失わないようにするためか、
柄谷の本には中国へのリップサーヴィスが多い。