3. 「主観的前提を超えた基盤の必要性」への反論
反出生主義が「主観的前提」に基づくからといって、それが倫理的正当性を欠くわけではない。すべての倫理体系は、ある程度の主観的価値観(例:幸福の追求、苦痛の回避)に依存する。反出生主義は、存在による苦痛の可能性を客観的に分析し、「生まないこと」が苦痛を防ぐ合理的選択であると主張する。この点で、功利主義や義務論といった他の倫理体系と同様に、論理的・構造的な基盤を提供している。社会的・構造的正当化を求める基準は、反出生主義に特別に課されるものでなく、他の倫理命題にも等しく適用されるべきである。

4. 「価値観の表明に留まる」への反論
反出生主義を「価値観の表明」に限定するのは、その哲学的議論の深さを無視するものだ。反出生主義は、デイヴィッド・ベネターの「非対称性論」など、論理的・哲学的に構築された議論に基づいている。このような基盤は、反出生主義が単なる「価値観」ではなく、体系的な倫理的主張であることを示す