② 中絶の推奨について
あなたの言う、中絶は反出生主義とは異なる論点であり、「新たな苦痛を負う存在をつくらない」という精神で類似性はあるものの、理論的枠組み内での無意味化という私の指摘は「カテゴリーエラー」だと主張します。
しかし、私が問題にしているのは、中絶が「新たな苦痛の予防」という反出生主義の精神に合致する側面を持ちながらも、胎児を「既存の生命」とみなす立場からは対象外となり、理論の直接的な目的(新たな出生の防止)に寄与しないという、理論内部における評価の矛盾です。
「中絶は反出生主義とは異なる論点」という指摘は、その通りかもしれません。しかし、反出生主義者が中絶を肯定する根拠として「新たな苦痛の回避」を挙げる場合、それは反出生主義の理論的枠組みとの関連性を主張していることになります。その際に、理論の対象外設定が矛盾を生じさせる可能性を指摘しているのです。