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主張内容における「2つの致命的な破綻」

​破綻①
ベネターの定義そのものを消滅させている

​ベネターの非対称性において、【Xが存在しないシナリオ】の「苦痛の不在=良い」という判断は、「これから生まれてくるかもしれない(存在していない)存在」に対して適用されるからこそ、反出生主義の道徳的目的(生み出さないことの肯定)になり得るのです。

​410が言うように「存在を前提にするならば(=すでに生きている人間にとってのみ)、苦痛がないのは普遍的に良い」としてしまうと、それは単なる【Xが存在するシナリオ】における「苦痛の緩和・回避(鎮痛剤を飲む、病気を予防するなど)」の話に完全にすり替わってしまいます。

​つまり、410は「普遍性を否定していない」と言い張りながら、その実、ベネターの言う「存在しないシナリオにおける不在の良さ」という概念そのものを「存在シナリオ」の中に力ずくで監禁し、非存在シナリオ側の意味を完全に消滅(無効化)させています。