>>314
「思想は前提から作為的に作られる」という説明は一般論としては正しいが、問題となっているのは「前提の存在」ではなく「前提の結論依存性」である以上、批判の論点を取り違えている。ベネターの非対称性論は、評価原理の選択と非対称性の正当化が相互に依存しているという意味で、構造的な循環性を含んでいる。
またベネターの非対称性論は、単にベネター自身の価値観として提示されたわけではなく、「我々に広く共有された直観」という普遍性の備わった間主観的概念を説明する理論として提示されている点にも留意が必要である。