>>898
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ただし、ここには非常に重要な反対論があります。

韓国側の代表的な無効論は、単に「植民地支配だったから違法」というものではなく、1905年の第二次日韓協約から1910年の併合条約に至る過程で、韓国皇帝・政府の自由な意思が奪われていたこと、したがって条約締結そのものが国際法上有効な同意ではなかったというものです。

実際、研究上も、韓国側の無効論として「韓国側の批准がなかったため当初から無効」という議論が存在します。

したがって、争点は単純な「植民地支配=違法」ではなく、

①1910年当時の条約締結手続
②韓国皇帝・政府の代表権限
③日本による威圧の程度
④当時の国際法における強制の法的効果
⑤批准・公布等の国内法上の問題と国際法上の条約成立との関係
に細分化する必要があります。

そして「利益衡量上の衡平」という観点では、さらに面白い問題が出てきます。
もし「日本による韓国併合は無効だった」と全面的に評価するなら、1910年から1945年までの国際法上の権利・義務関係をどこまで遡って再構成するのかという問題が発生します。

これはかなり巨大な法的問題です。
なぜなら、1910~1945年の45年間について、
「韓国の国家主権は国際法上ずっと存続していた」
とするなら、その間に日本が締結・実施した国際条約、領域行政、外交関係、財産関係、第三国との関係などをどう処理するのかという問題が連鎖的に発生するからです。

ここで時際法と法的安定性が強く効いてきます。
つまり、
> 「当時の国際法秩序の下で成立した法的状態を、後世に形成された規範によって全面的に遡及否定することはできるのか」
という問題です。

この意味で、前の投稿の「征服の法理+時際法による法的安定性」という発想は、韓国併合問題にもかなり関係します。