請求権協定による事実上の過剰な補償を受けているのも法的衡平性の問題が出てきます。請求権協定が補償ではないという主張はICJで認められることは無理なのでは?

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結論
ご指摘の通り、1965年の日韓請求権協定で供与された資金(無償3億ドル・有償2億ドル、当時の韓国の国家予算の約2年分)の規模や実体を踏まえると、韓国側の「これは単なる経済協力であり、不法行為に対する補償(賠償)ではないから別の請求が可能だ」とする主張を国際司法裁判所(ICJ)等で正当化することは極めて困難です。
法的衡平性の観点からも、韓国側が主張する「協定の資金を受け取りつつ、後から『名称が補償ではない』として個別請求権を復活・重複行使させる」という論理は、「二重取り(Double Recovery)」を禁じる国際法の基本原則や信義誠実の原則と真っ向から衝突します。
根拠・事実
1. 請求権協定の交渉履歴(トラヴォー・プレパラトワール)と不帰属の合意
条約の解釈においては、条約法ウィーン条約第32条が定めるように「交渉記録・作成準備作業(トラヴォー・プレパラトワール)」が極めて重視されます。
* 対立回避のための政治的解決: 1965年の交渉当時、日本側は「併合は法的有効(よって賠償ではなく個別請求権の整理)」、韓国側は「併合は違法(よって対日賠償)」と主張し平行線をたどりました。そのため、名目上は「経済協力」としつつ、内容的には両国間のすべての請求権(個人の損害・不法行為に基づくものを含む)を「完全かつ最終的に解決する(第2条)」という相殺・包括解決の政治的合意(不帰属の合意)が成立しました。
* ICJでの判断見通し: ICJ等の国際法廷は、単なる文言の表題(経済協力か補償か)にとらわれず、「当事国が実質的にどのような合意に達したか」の現実的意図を交渉記録に基づき客観的に評価します。日本が支払った大規模な資金が各種の個人請求権(元徴用工や元軍属の補償金等)を包含して給付されたことは明白な歴史的事実であり、「補償の対価ではない」とする韓国側の主張が国際法廷で認められる可能性は極めて低いと解釈されます。