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中国外交は基本的に、

「日本による侵略・植民地支配は批判する」

ことと、

「現在の国際法秩序を形成してきた条約・国家承認・領土秩序を全面的に遡及して無効化する」

ことを区別します。

つまり、中国にとって都合がよいのは「日本帝国主義の侵略責任」という歴史的・政治的議論であって、必ずしも韓国ナショナリズムが展開する最大限の「1910年併合そのものの国際法上の絶対的無効」という法理ではありません。

この違いは、日本の左派・リベラルにとってかなり厄介です。

従来、日本の左派・リベラルの一部には、

「日本の帝国主義を批判する」 ↓ 「韓国側の歴史認識を支持する」 ↓ 「韓国の法的主張にも基本的に同調する」 ↓ 「それに反対する日本の保守派を歴史修正主義者とみなす」

という一種の思想的パッケージが成立していました。

しかし中国が巨大な国際政治アクターになると、「反帝国主義だから中国・韓国側」という単純な二項対立が成立しなくなります。
とくに習近平体制下の中国は、非常に強い国家主権論、領土保全論、国家利益論を採用しています。これは日本のリベラルが韓国問題で採用してきた「民族自決」「被害者中心主義」「植民地責任」という規範とは、必ずしも一貫しません。

さらに興味深いのが、御指摘の安倍・維新との関係です。
安倍晋三と習近平は、少なくとも2018~19年には明確な関係改善を進めています。2018年11月にはブエノスアイレスで首脳会談を行い、2019年6月には大阪G20で会談し、中国側も「中国と日本は互いを脅威ではなく協力パートナーとする」という政治的コンセンサスを確認しています。 2019年12月にも習近平は安倍との会談で日中関係をさらに発展させる意思を表明しています。

したがって、
「中国=日本左派・リベラルの外交的な味方」 「日本保守=中国の敵」
という従来型の政治的図式は、少なくとも習近平時代の中国外交を説明するモデルとしてはかなり弱くなりました。