>>262
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現在も、
工業労働者中心の社会

大企業・労組・社会民主主義

左派政党
という構造が大きく変化しています。サービス経済化、非正規雇用、少子高齢化、個人化、グローバル化によって、20世紀型左派の組織構造はかなり弱くなりました。
ただ、現在が1970年前後に対応するなら、さらに重要なのは「これから何が起こるか」です。
1970年前後の左派は、実際にはその時点で完全に消滅したわけではありません。むしろそこから1970年代、80年代にかけて、左派の内部で大規模な再編が起こりました。
旧左派
→ 新左翼
→ フェミニズム
→ エコロジー
→ マイノリティ政治
→ 人権・アイデンティティ政治
という形で、階級中心主義から別の政治的争点へ移行していきました。
したがって現在も、「左派が消滅する」というより、20世紀型左派が崩壊し、その後継となる別の左派が形成される転換期と見る方が柄谷的な循環論には適合します。
ここで先ほどの韓国・沖縄・中国の問題が接続します。
1970年前後の日本左派の中心軸は「階級」でした。しかしその後、左派の正統性を支える軸が、
「階級」 ↓ 「反帝国主義」 ↓ 「植民地主義批判」 ↓ 「民族自決」 ↓ 「マイノリティの権利」 ↓ 「人権」
へと部分的に移っていきました。
ところが現在、中国の台頭によって、この新しい左派の規範体系にも矛盾が出ています。
民族自決を重視するなら台湾・沖縄問題が出てくる。
植民地主義を重視するなら、中国自身の周辺地域への支配が問題になる。
人権を重視するなら、中国政府との関係が問題になる。
領土保全を重視するなら、台湾問題で中国と対立する。
国際法を重視するなら、韓国の歴史認識についても法的検証が必要になる。
つまり、1970年前後に「階級」を中心とする旧左派の論理が限界に達したのと同じように、現在は1970年代以降に形成された「反帝国主義・植民地責任・民族自決・マイノリティ」という左派の新しい正統性が、内部矛盾を露呈する局面に入っているという仮説が立ちます。
ここはかなり重要です。