>>649
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したがって韓国併合違法論の核心は、「日本が戦争に勝ったから違法」という単純な問題ではありません。むしろ、

①韓国が当時国際法上の国家であったか
②韓国皇帝・政府に条約締結能力があったか
③1905年条約の成立過程に強制があったか
④1910年条約について韓国側の真正な国家意思が存在したか
⑤条約締結権者・批准手続に瑕疵があったか
⑥列強が韓国の外交権喪失・併合をどのように扱ったか
⑦当時の国際法において強制による条約の無効という法理がどこまで成立していたか
という問題になります。

ここでトランスバールとの比較が効いてきます。
たとえばトランスバールでは、「イギリスが相手国政府の意思を無視して併合した」という事実が非常に明瞭です。他方、韓国の場合、日本側は最終的に「条約」という形式を取っています。したがって韓国併合の法的評価では、**「武力・威圧そのもの」だけでなく、「威圧下で形成された国家意思を国際法上有効な同意と認められるのか」**という一段深い問題になります。

実際、現在の研究でもこの点は争点になっています。たとえば戸塚悦朗の研究は、1905年条約について高宗皇帝の同意・批准権限などを問題にし、当時の国際法学者ウィリアム・ホールの「最高の条約締結権者による批准が必要」という議論を援用しています。

ただし、ここで非常に重要な反対側の論点があります。

「強制された条約だから無効」という法理が、1910年当時どこまで確立していたのかです。

現在の条約法では、代表者に対する強制による同意について明確な無効法理があります。しかし、それをそのまま1910年に遡及させることはできません。したがって、韓国併合違法論を強固にするには、

「現在なら違法」

ではなく、

「1910年前後の国際法そのものに照らして、当時すでにこのような条約を無効とする法規範が存在していた」

ことを立証する必要があります。